国立音楽大学附属中学校

演奏・創作コース

創立以来、音楽にあふれた環境の中で、基礎学力を身につけながら、楽器や声楽の知識・技術を学ぶコースです。
専門的に音楽を学ぶ中で、豊かな人間性を育み、将来音楽文化の発展に貢献できる人材を育てます。
演奏・創作コースの授業の特長のひとつである週に1回行われる個人レッスンでは、基礎的なことを大切にし、一人ひとりの能力、個性、資質などに沿ってきめ細やかに指導しています。一流講師陣のレッスンを受けることによって、技術の習得のみならず、表現力や創造力をはじめ、計画性、課題解決力、継続力など様々な力が身につきます。またソルフェージュの習熟度別授業や、ピアノグレード制は多様なレベルに柔軟に対応できるシステムであり、生徒一人ひとりが充実して取り組める内容になっています。
本コースでは年に2回の実技試験を実施しており、実技試験を通して色々な時代やスタイルの作品を3年間で学び、個々のレベルアップをより一層目指します。実技試験の成績優秀者は、様々な演奏会に出演する機会を得ることができます。

音楽の基礎教育

他校より多い音楽の時間は、音楽の基礎教育にあてています。個人・グループレッスン、ソルフェージュ(視唱、聴音など)、創作(作曲)、音楽的感覚を養うリトミック、合唱等を行っており、その全てが附属高等学校音楽科、国立音楽大学へ進むための基礎的な力になります。

ソルフェージュ

ソルフェージュの授業は、読譜から演奏に至るまでに必要な様々な技術の礎となる基礎訓練を中心に行います。ただ音を正確に書き取ったり、正確な音程で歌ったりすることに終始せず、「どのように解釈し、表現するか」を自ら常に考えることを大切にしています。よく知っている楽曲や、実際にレッスン等で取り組んでいる作品を素敵な「自分の色」に仕上げるため、感性を磨き、楽しみながら一人ひとりが実力を向上させていきます。また、1年生後期・2年生は2クラス、3年生は3クラスの習熟度別クラスを設けています。

創作

1年生は短いメロディーの作曲から始めます。2年生では変奏曲と歌曲、3年生では合唱曲を作詞・作曲します。実際に自分自身の手によって曲を書くことで作曲家の視点を持ち、「楽譜を自分で理解し読む力」と「良い音を聴き分ける力」を身につけ、最終的に演奏につなげることを目標としています。また、3年生の優秀創作作品は、作曲した生徒自身による合唱指導・指揮のもと、卒業演奏会にて全校生徒による合唱で発表します。

校内演奏会

主楽器でのソロ演奏をコンサート形式で行います。プログラムやポスターも自らの手でデザインし、校正や編集なども実践的に学びます。
これまでの練習やレッスンを通して技術を高め、表現の幅を広げてきた主楽器の演奏、自らの内なる考えや思いを伝えるだけでなく『伝わる』ような表現の追求…それぞれが3年間で培ったものの集大成としてその成果を一人ひとりが発表します。ここでは「生徒」としてではなく、ひとりの「表現者」として多くの人の前で大きな一歩を踏み出します。

くにたち音楽会

本校で行われる音楽行事で最も大きな音楽会です。「合唱の部」では、授業で取り組んできた作品を生徒が披露します。指導は、合唱界で活躍する指揮者や声楽家が行なっています。また「ソロ・アンサンブルの部」では、実技試験で優秀な成績を収めた生徒による演奏を披露します。

レッスン

ピアノ

高校音楽科を含め12段階のグレード制を実施しています。生徒の力量に添って選曲した楽曲に取り組み、中高6年間で幅広くレパートリーを増やしていきます。中学校3年間で8回行われる「トライアル」では、複数の教員が直接アドバイスを行い、多角的な視点から音楽を捉えられるように、そして技術や表現力を高めていくために、きめ細やかなサポートを行います。

弦楽器

素敵な音色を奏でるために、中学の3年間で基礎をしっかり固めます。年に2回おこなわれる実技試験では様々な時代や様式の作品を通して表現力を養います。また伴奏者と共に音楽を作り上げるアンサンブル力も学び、演奏家としての資質を磨いていきます。

声楽

中学の声楽レッスンでは、一人ひとりの身体や声の成長や性質に合わせ、無理のない発声法や呼吸法を習得します。基礎的な作品から細かく丁寧に学び、後にオペラやミュージカルなどの本格的な学習に向けての土台づくりをします。

電子オルガン

クラシック音楽を中心に基本的な事柄を総合的に学んでいきます。既成の楽譜を題材に演奏や編曲の基礎を習得し、更にオーケストラ作品の自編曲にも挑戦します。また簡単なメロディーに伴奏を付けるなど即興演奏に必要な知識と技術を身につけます。

管・打楽器

基礎を中心に、骨格や呼吸機能の成長に合わせた無理のない音づくり、奏法を学びます。生徒一人ひとりのレベルに合わせ、将来演奏家や指導者など幅広い分野で活躍できるようレッスンをおこないます。実技試験ではさまざまな時代の作品を通して音楽への理解をより深めていきます。

2024年度 中学校音楽コース、高校音楽科 レッスン時間

総合音楽コース

2026年度より「総合音楽コース」が新たに誕生します。音楽が好きで、これから音楽を学び始めたい生徒や、音楽が身近にある環境で学びたい生徒のためのコースで、「表現する」ことを重視したカリキュラムを多く取り入れます。
「アンサンブルのくにたち」ならではの「音楽」「器楽」の授業では、三味線やリコーダー・ギターなど、さまざまな楽器を用いたアンサンブルや合唱を学びながら協調性を養います。
また、「レッスン」と「英語表現」の授業はいずれかを選択することができます。「レッスン」は演奏・創作コースと同じ一流の講師陣が担当します。「英語表現」では、グローバル化が進む現代において、英語で表現することを重視し、ライティングやスピーキング中心に授業を展開し、コミュニケーション力の向上を目指します。
「総合」の授業では、個人やグループでの発表の機会を多く設け、言葉や音楽などで表現する体験を通して、これからの社会で求められる思考力や発信力、課題解決力などを磨いていきます。

特色ある総合音楽コースの授業

一般教科で得た知識や、ICTを活用して得た情報などをもとに、個人やグループでの発表の機会を多く設け、課題を解決する力や、自ら考え行動する力などを身につけ伸ばしていきます。
音楽・器楽、レッスン、英語表現、総合の授業を通して、あらゆる場面で応用できる柔軟な思考力や発信力、豊かな表現力や深い洞察力を伸ばし、様々な進路に対応できる力を養います。

音楽・器楽・合唱の授業

「音楽を学び、音楽に学ぶ。」
様々な音楽や楽器に触れることによって音楽活動の楽しさを体験し、音楽を愛好する豊かな心を育て、感性を磨くことを目標としています。
音楽であふれる本校の環境の中、多様な音楽表現の豊かさや美しさを感じ取り、創意工夫して表現する力の育成を目指します。
演奏・創作コースの生徒と一緒に各学年合同クラスで学ぶ合唱の授業では、全国で活躍する合唱指導者や声楽家が指導し、授業内で練習した作品を「くにたち音楽会」で披露します。

社会の変革に対応する力を身につける、音中の学び

自分の興味でレッスンか英語表現を選べる!!

レッスン

演奏・創作コースと同様、一流講師陣の個人レッスンを受講できます。それぞれの音楽性を大切にしつつ、基礎を押さえたレッスンをおこない、音楽を通して自己表現の幅を広げていきます。

英語表現の授業

英語を通して、「自分で考えて」「自分の言葉で」表現できるようになることを目標にしています。
「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」などの言語活動を身につけるため、『TAGAKI』を用いたライティングトレーニング、実践的な英語でのやり取り、発表、スピーキング活動などを行います。
また、授業で習得した知識を活かし、場面・状況に応じて自分の考えや気持ちを英語で表現することを目的として、オンライン英会話や、校外学習(例 TOKYO GLOBAL GATEWAY)を行い、実際にネイティブの方との交流など体験型英語学習の機会を設けます。

総合の授業

自分は何に興味関心があるのかなど、自分をとことん知ることから始まり、その上で多様な他者理解を行い、この社会はどんなふうに成り立っているのか、社会の課題はどのようなものがあるのか、社会の中で自分はどんな道に進みたいのかなど、将来大学へ進学する際に役立つ教科の枠を越えた学びをしていきます。

アフタースクール(ジュニア ミュージック・アトリエ)

課外でレッスンを行う制度です。指導には本校レッスン教員、経験豊富な本校推薦講師があたり、個々の生徒の特質や希望にそって良質なレッスンを実施します。

対象
●総合音楽コースの生徒で、楽器や声楽を学びたい生徒
●総合音楽コースの生徒で、演奏・創作コースへの変更を希望する生徒
●演奏・創作コースの生徒で、主楽器の変更を希望する生徒
内容
●ピアノ、声楽 、弦楽器、管楽器、作曲/ 他
●50分の個人レッスンで、月3回程度(年間30回)
●平日放課後または土曜日に実施
指導スタッフ
●本校レッスン教員または本校が推薦する講師
料金
●月額¥11,000(年額¥132,000)