学校長の挨拶

学校長 大友太郎

 国立音楽大学発祥の地、国立駅の西に位置する本校は、長年にわたり地元の住民の方々や商店街の皆様から「音中・音高」の名で親しまれ、登校する生徒たちをあたたかく見守っていただいています。
 国立音楽大学附属中学校・高等学校は1949年に設立され、来年の2024年には創立75周年を、そして本校の母体である国立音楽大学は2026年に100周年を迎えます。今日まで『自由、自主、自律』の教育理念の下、オーケストラや吹奏楽、ソリストとして活躍する一流の演奏家、オペラ界及びリート界のスター歌手、超大物ジャズミュージシャン、マスメディア関係で活躍する方々、優秀な音楽教員等、音楽業界のみならず、金融、通信、医療、ファッション等きわめて幅広い分野で活躍する人材を輩出してきました。附属中学校・高等学校の生徒たちも、国立音楽大学と同様のびのびとそれぞれの目標に向かって、人と人とのつながりを大切に、共に成長するという「くにおん」の素晴らしい精神を受け継ぐ環境の中で学校生活を送っています。
 この明るく温かさ溢れる本校との交流を希望する海外の教育機関、音楽家たち等、毎年大勢のお客様をお迎えし、国際交流も行っています。
 本校では2023年度より新たな2号館の完成に伴い、中学・高校音楽科・高校普通科、全てにおいて新たな取り組みを開始しました。

 中学校は2023年度より「演奏・創作コース」と「総合表現コース」の2コースになりました。
 音楽が大好きで、その魅力をもっと知りたい、聴衆の心を揺さぶり感動させることのできる演奏をしたい、心に残る名曲を作りたい、歌が大好き、合唱が命、音楽の魅力を発信する仕事がしたい・・・そんな夢を持っている皆さんは、独自の音楽専門教育を行う「演奏・創作コース」で、基礎学力と共に、音楽の技能を磨いています。また、この音楽に満ち溢れている環境の中で、将来の目標を達成するうえで必要な土台作りのために、「総合表現コース」では基礎学力をしっかり定着させるとともに、特に英語に力を注ぎつつ、様々な音楽教育を通して思考力や表現力などを養っていきます。更にコラボレーション授業や研究発表などのアクティブラーニングによって自ら課題を解決する力を身につけています。
 両コースともに、音楽や教科の枠を超えた学びを通じて、お互いの個性を認め合いながら一緒に一つの目標に向かっていくことの大切さを学んでいます。

 高等学校は「音楽科」と「普通科」があります。
 「音楽科」は国立音楽大学の「演奏・創作学科」と「音楽文化教育学科」へとシームレスな一貫教育に対応するため、2023年度より演奏者を目指す人のための「演奏・創作コース」と、社会の様々な分野で音楽の力を用いて活躍することを目指す人のための「総合音楽コース」の2コース制になりました。音高「音楽科」の生徒たちは、自由な環境の中、何より人と人との温かいつながりを大切に、音楽家になるために必要な基礎を身につけ、心に響く演奏、心に響く作品を目標に技を磨いています。やってもやってもこれでいいという終わりのない専攻楽器等の練習に日々取り組んでいます。
 普通科では、新たな取り組みとして、多様性を理解し、グループワークに柔軟に対応しながら、自らの行動に責任をもって目標に向かっていける自信に満ちた人材の育成を目指し、『KUNIONミライ探究』という探究型ゼミ授業を開始しました。6つの研究テーマから、各自で興味のあるものを選択する少人数のゼミ方式で、1・2年合同の学年横断型授業となります。その道の専門家を講師としてお招きし、直接指導を受けられることは知的好奇心を大いに刺激します。自分で責任をもって考える力を身につけることは、おのずと学力の向上につながることでしょう。

 将来の夢を叶えるために「くにおんパワー」を身につけませんか。
 皆さんの成長を教職員一同真心もって後押しします。
 それぞれの科やコースに興味や関心をもった方は、このホームページをご覧になり、ぜひ学校説明会や体験講習などにいらしてください。お待ちしております。