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学校長の挨拶
新たな歴史を、共に   学校長 星野安彦
 国立音楽大学附属中学校・高等学校は、1949年に創立されました。そして、幼稚園から大学院までの「くにたち」の学びの流れの中で、基礎教育から専門教育への橋渡しとして重要な位置にあります。
 本校は創立以来ずっと、国立音楽大学発祥の地である国立の地に在り、「音中」(おんちゅう)・「音高」(おんこう)の愛称で親しまれています。東京都で初めて文教地区に選ばれたこの街には、地域への誇りと愛情をもった市民の方々が暮らしています。学術・文化への理解も深く、本校主催の招待演奏会や地域謝恩コンサートなどで演奏する生徒だけではなく、毎朝、鞄や楽器ケースを抱え国立駅や矢川駅のステップを軽やかに下りてくる生徒たちに、市民の方々は温かい視線を注いでくださっています。
 こうした音中・音高の学びについては、別のコーナーで詳しくご紹介していますから、ここではその特徴など3点をお話ししましょう。

 ☆ 普通コースを持つ音中、普通科を持つ音高
 本校は数ある音楽大学の附属校の中でも希有な存在です。音楽コース-音楽科と普通コース-普通科が設置されているからです。
 芸術表現に必須の知性と、知識の構築に不可欠な感受性が、創立当初から変わらない自由な空気の中で育まれる中、専攻を持ち音楽人として歩み始める音楽コース-音楽科の生徒は、音楽的環境でじっくり知性を磨く普通コース-普通科生徒と互いの存在を意識し、切磋琢磨し合うことを、ごく普通に行ってゆけるのです。
 本校のレッスンや授業に近い内容だけならば、他でも受講は可能かもしれません。しかし、中学高校時代は急速に変わることができる時期です。中学校音楽コース・高等学校音楽科の生徒は、専攻だけでなく、音楽理論、ソルフェージュなどや合唱、オーケストラなどに取り組み、中学校普通コース・高等学校普通科の生徒たちは本質的な学びに取り組んでいます。この時期に多彩な友人を鏡として自らを見つめられる環境は、貴重な場といえるのではないでしょうか。

 ☆「個」を大切にする学校
 音中・音高が大切にしているのは、詰め込みや丸暗記のような表面的な吸収ではなく、本質に迫り、真の教養を身につけようとする姿勢です。
 そのために私達は、本校の各ホームルーム・クラスを小規模にとどめて構成しています。私達は、一人ひとりの「個」を文系・理系等の枠にはめたりせずに生徒たちと向き合っています。生徒たちは、中学1年生では毎回30分、中学2年生からは毎回50分行われる1対1のレッスンや普通科では豊富に設けられごく少数でも履修できる授業を行い、一人ひとりの進路の実現を目指しています。その中で「自由」の真の意味を考え、少しずつ見えてくる自らの未来像を求め、日々精進しています。そうした成果の一端は、先ごろ放映されたNHK「スコラ 音楽の学校」に出演し、共演した坂本龍一さんを驚かせた高校オーケストラの演奏でも披露されました。

 ☆ 国際交流
 音中・音高は海外からも多くのお客様をお迎えしています。
 本校訪問を希望し、大きなスーツケースを携えて成田空港から直行してきた指揮者ティグラン・ヘケキアン。合同演奏会の音中ブラスバンド部とのコラボレーションに強い印象を持ったユーイング・セカンダリー・スクール。音高合唱部を指揮して自作品の日本初演を行うために来日し、コンサート終了後、「今日は生涯最良の日」と語った作曲家・指揮者のユリユス・カルツァス。2007年から毎年公開レッスンを行い、生徒たちを温かく導き続けるピアニストのヴィレム・ブロンズ。賛助出演した生徒たちと音楽性を共感しあったヨーローッパを代表する合唱団イトロ。今秋の来日で、音高オーケストラとの共演再現を待ち望むベルリン・カニジウス高校オーケストラなど、音中・音高生たちの音楽は海外の音楽家たちからも高く評価されているのです。

 −−−今、このホームページにアクセスしてくださっている皆さんを、来春には本校の生徒としてお迎えし、音中・音高の新たな歴史を皆さんと共に刻む日がくることを心から楽しみにしています。